年上になめられない仕様
44:
夜ふけ
:2010/01/31 01:45
走り続けなければ生きていけない、走ることをやめれば、文字通り死んでしまう、回遊魚のマグロのような人間
その者は、走りながら様々なもの、様々な光景、様々な犠牲を、いやでも目にする
そして、その場所に、その道に、その街に、或いは大多数のドライバーの中に、なにか負のエネルギーみたいな気が溜まっていくのを感じてゆく
やがて、それが自分自身には全く関係がないことなのか、或いは関係があることなのかという、脅迫観念の様なものに悩まされ始め、どちらなのか答が解らなくなる
しかし、その者は、一つだけはっきりしていることに気付かざるを得なくなる
道に流れ出た血の跡の上を走っていると云うことに
それでも、その者は、走り続ける
その者には、生きるためにそれしか残されていないのだから
その者は永久に、走ることを止めても死なない人々には理解されない
走ることを止めれば命を落としてしまう代償として、そうではない人々には見えないものが、その者には見えている
それが何なのかは分からない
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